ロイ君ありがとう

 

ロイが我が家の家族になって、はや2年になろうとしています。
もう、10年もいるような顔をしていますが…今もお気に入りのベンチで寝ています。

  やってきた時の面影は全くありません。まるで別の犬のようです。
あの怯えた目はどこへいったのでしょう。痩せて何もかもに絶望してどうにでもなれといった
捨てばちな目をしたノラ犬は、もういません。

 何も知らない人たちは、ロイをみて「なんてきれいな立派な犬なんでしょう。」と賞賛の言葉をもらします。そんな言葉を耳にすると、思わず私は「そうでしょう!私の末息子は本当にきれいで立派でしょう?おまけにすごく頭がよくて素直で私のことを心から信頼してくれているんですよ。」
と心の中で答えます。

 ロイがはじめて我が家にやってきた時にはうちには他の犬が4匹と猫が2匹いました。
猫たちは両方とも21歳になっていました。犬のうち2匹は19歳でほかに5歳のヨーキーと2歳のコッカーがいました。全部「訳あり」の子たちばかりですが、みんな仲の良い家族です。

犬も猫も人間も同じスペースで暮らしていましたが、何のトラブルもありません。そんなところにやってきたロイはすぐにみんなに受け入れられて、誰からも拒否されませんでした。だから、ロイも初めは少し戸惑いましたが、すぐに自分はここにいていいのだと言うことを理解しました。ただ、まだまだ不安で心の底から安心していたわけではありません。だから、一番信用できそうなお母さんにベッタリくっついて離れません。

私が行くところにはどこにでもくっついて来ました。それが、物干し場であろうとトイレであろうとくっついて歩いて「お母さんのストーカー」と言われていました。もちろん寝る時もわたしの小さなベットで一緒に寝ました。そのかわりどんな嫌なことでも私にはさせてくれました。たとえば、爪を切るとか、歯を磨くといったあまり犬にとっては嬉しくないことでも嫌な顔ひとつせずさせてくれます。絶対の信頼を示します。私もここまで信頼してくれている子に対して二度とつらい思いをさせないためにも決して裏切ることはないでしょう。

 「動物は決して裏切らない」という言葉は言い古されているにもかかわらず、
それを裏切るのは常に人間です。そして、裏切られたことを理解できずに戸惑い、恐れ、
おびえている犬や猫に「ノラ」という接頭語をつけて、人間のエゴイズムと罪とを押し隠すために
排斥する・・・それが私達、人間です。

 うちの子ども達は、だれひとりとして順風万帆の中でやってきたのではなく、人間に捨てられた(事情はいろいろですが)人間に裏切られた子ども達ですが、同じ人間として本当にごめんなさい、と詫びながら、「私はあなたをこころから愛したい」と一緒に暮らすことでもう一度信頼を取り戻しお互いに幸せを感じることができます。

わたしの膝の上に大きな頭をのせてすやすや寝ているロイ君。そして寿命がつきて安らかに天国に帰っていった子ども達、今も元気な21歳になろうとしているアンジュ(捨てられて死にかかっていた)阪神大震災で泣く泣く優しい飼い主と別れてうちにやってきたラムちゃん貰い手がなくて捨てられそうだったユウタ、みんなみんなありがとう。

そして、同じように命の重みを感じて、同じように命に接してくれるうちのダンナさま、ありがとう。

 ロイ君がやってきて楽しいエピソードは数え切れないほどあるけど、何よりも私達の生活をより豊かに楽しいモノにしてくれたことを、ロイ君に感謝します。

 

新しい飼い主さんとの橋渡しをされた方のメッセージ

 町内で放浪していたロイ君。
人間に捨てられみなに怖がられ、そして処分されてしまう運命にあったロイ君
今の幸せな顔をみていると嬉し涙が出てしまう…三年前(1999年)の9月のことでした。