地域犬・シロ

ぼくは野良犬なんかじゃない!地域犬っていうんだよ。
吠えないし、もちろん噛みついたりしない。
人には絶対悪いことをしない、ぼくはとってもいいコ。
だから、みんなぼくを可愛がってくれて、
ごはんやおやつをいつもくれたんだ。
自由に駆け回り、好きなところで眠って、気ままに楽しく
暮らしてきたんだよ。

でも、ある日、思いもかけない事件が起きた。
いつもの道をひとりでお散歩してたら、罠っていう怖いものに
前足がバシン!ってはさまっちゃったんだ。
痛いよ、痛いよ!もう、動けないよ・・・・・

長い、長い間、ぼくは飲まず食わずでじっとがまんしたよ。

そして、少しだけ痛みもなくなったころに、ご飯をちょうだい!
っていつも可愛がってくれるお家に行ったんだ。
そのあと、生まれた初めて病院ってところに連れていってもらって、
痛かったところを治してもらったよ。

そして、そのお家でご飯をもらって、元気になったよ。
でも・・・ぼく、やっぱり自由がいいもん。
つながれるなんてごめんだよ。
優しくしてくれたお家の人にはわるいけど、
ぼくは脱走しちゃったんだ。

また、もと通り、自由気ままな地域犬として生きて行こう!
と思っていたんだけど・・・
やっぱり、そうはいかないんだって。
どんなにおとなしくしても、ぼくたち犬が苦手な人も
たくさんいて、リードをつけずにお散歩してると
本当に怖い思いをするんだって!

だから、ぼく、地域犬を卒業して、病院に連れて行ってくれたお家で
立派な家庭犬になることにしたよ。
これからは、犬が苦手な人に迷惑をかけず、毎日お腹いっぱい
ご飯を食べて、のんびり暮らしていくよ。
それもまた、幸せって感じだよねっ。