パイプ猫・麻呂

ぼくは生まれた時から、ひとりぽっち。お家もないんだ。
お母さんや兄弟のことも覚えてないよ。
でも、人間は大好きだったよ。
おいしいご飯をくれたり、優しくなででくれる人が
たくさんいたんだもの。たまには、石を投げられたり、
車にぶつかりそうになったり、怖い思いもしたけど、
生まれた場所で、ずっと平和に暮らしてたんだよ。

でも、ある朝、目が覚めて本当にビックリしたよ。
ぼくの首にパイプが通っているんだもの。
痛いよー苦しいよー。
ぼく、あんな小さなパイプに頭を突っ込んで遊んでないよ・・・
もう、どうしてこんなことになったのか
わからない!でも、苦しくて、痛いよー。
お腹はぺこぺこで、大好きな毛繕いだってできやしない。
お願い!誰か、ぼくを助けて!!

もう、大好きだった人間も信用できなくなっちゃったよ。

でも・・・こんなぼくを助けてくれたのは、やっぱり人間なんだ。
滋賀県動物保護管理センターの職員さんが
ぼくを保護して、あの苦しくて痛かったパイプを
取ってくれたんだよ。あー助かった!
それからも、毎日ご飯をくれて、ぼくは元気になることができたんだ。
ありがとう。

そして、しばらく経ったある日、初めてぼくにお家ができたよ。
苦手な犬もいるけれど、ここなら安心して暮らせそうだよ。
でも、やっぱりまだあのときの事が怖くて、
昔のように、人間が大好きとは思えないよ・・・
時間が経ったら、あの怖いことも忘れられるといいんだけどなー

でも、今、ぼくは元気で幸せだよ。